慌ただしく過ぎ去っていく日々過ごしていると、ふと立ち止まって自分を見つめ直したくなる時がある。
思えば、北海道の片田舎から出て来て、30年という月日が経った。
北海道にいた時は、密かにギタリストになる夢を見て、ギターばかり弾いていた。ろくに勉強をしなかったので、美術の先生に「画家になりたい!」と言ったら、「手遅れだ!」と言われた。子供の頃から、絵を描くことが大好きだった。クレヨンと紙を与えられると何時間でも書き続けていた。美術の成績だけが唯一の取り柄だったのにその夢を打ち砕かれた。当時、UKロックのレコードジャケットが魅力的で、グラフィックデザイナーという職業を知った。この道があるのだと思った。
上京後、この東京を征服してやるなどと息巻いていたけど、デザイナーになりたての頃は、挫折の連続。「才能がない、やめちまえ!」「IQが低い!」と怒鳴られる連続で、自分が一体何をしたいのだろうと思い始めた20代前半。夢に見たグラフィックデザイナーが、こんなにも現実とかけ離れたものだと思わなかった。毎朝、出社するのが苦痛で、会社にいてもいつもおどおどしてばかり。そうなると、負のスパイラルに陥り、ますますミスばかりする。毎日、こんなここと言われていると、精神的におかしくなり、一年が経つ頃には、風邪だと思っていたのが、アパートで喀血し肺結核と診断され入院してしまった。
一年の闘病生活を経て、医者からはこの仕事は過酷だからやめなさいと言われた。それでもやりたかった。この仕事で、命を落とすならそれでもいいと思った。最愛の祖母は、元教師で教育熱心だった。教育には、多大なお金をかけてくれたのに僕はその環境から逃げていたのだ。東京に出て、絶対に成功してやる!と強がっていたのに、僕は祖母に弱音を吐いた。返ってきた言葉が「不可能はないんだからね。これからでも人の何十倍も努力すれば、必ず努力は報われる」と言われた。さすが、明治生まれ、陸軍大尉の妻だ。
それからは、自分の甘さを反省し、大量に本を読みノートに書き付け、夢中で仕事をした。仕事は、自分から取りにいった。気がついたら、1993年3月に会社を設立してから、16年が経つ。スタッフも増えたり、減ったり。うちのスタッフには、厳しいことは言うけれど、僕のようなスタートでつまづくようなことはしてほしくない。三歩進んで二歩下がるの繰り返し。チャレンジは、まだまだ続く...
>マナミさま
人生において全ての経験に無駄ということがないような気がします。 成功体験も失敗体験も未来へつながっていくのですよね。 その真っ只中にいるときは、不幸のどん底のつもりかもしれないけれど、 後で考えてみるとそれほどでもなかったり... ついつい、悲劇のヒロインになって美化してしまったりする 自分がいたりします。 なんだかんだ言っても3歩あるくと辛いことも忘れてしまう、 都合のいい性格だったりもします。 結構、そんな自分が好きです。 マナミさんも自分大好き人間ですか?
投稿者:hide★ :2009年2月17日 10:30
私はまだ、過去を振り返って自分のことを「こんな風になった。」って言える年齢ではありませんが、少ないながらも、自分にとっては一生懸命、色色な体験をしてきたのでそこから学んだことは今の自分に生かされているし、学んだことを生かして生きている今の自分が好きです。
自分のことは、いつでも、ただただ好きでいてあげてほしいです。
何が言いたいのかわからないのですが、ブログをいつも見せていただいていて、篠原さんの森の妖精の話や、つづられている文章・写真がすきです。良い気持ちを感じさせてくれて、ありがとうございます。
投稿者:マナミ :2009年2月17日 04:38
>N.Kojimaさま
未だにダメなところがたくさんあるのですが、 誰にも負けないというジャンルもあるので、 自分のコンプレックスを認められるようになったのだと思います。 あっ、こういう自信過剰なところがいけないかもしれませんね。 謙虚に、でした。 僕自身、成功者とはまだまだ言えるような立場ではないので、 いつも反省しながら前へ進んでいきたいと思います。
投稿者:hide★ :2009年2月16日 11:33
>soraboshiさま
同窓会以来、いろいろ自分を見つめ直す機会が増えてよかったよ。 30年という月日が、過去のことを思い出す暇もないくらい あっという間だったけど、これからの人生に向って 新たな心構えを持ってチャレンジしていけるような気がする。 頼りなかった自分が、いつの間にか自信過剰になり、 得たもの多いけど失ったものも多いんだよね。 これからは、謙虚に地道にこつこつと努力を積み重ねていきたいと思う。 富良野の妖精はどんなだった?
投稿者:hide★ :2009年2月16日 11:26
プロフェッショナルという番組をみてもそうですが 成功の前の泥沼。そして自分のコンプレックス。 こうしたものを、ブレイクスルーしてますよね。 かくいうボクも、まだまだ、一皮むけずに居ます。 奮い立たせて、ボクもがんばって、もう一歩出てみます。
投稿者:N.Kojima :2009年2月15日 02:13