top of page
執筆者の写真Hidetoshi Shinohara

妖精ミュー伝説

早朝、夢を見た。 出口の見えない森の中で漆黒の愛馬ロメオに乗って、 僕は霧に包まれた森の中を彷徨っていた。


舞台は中世のヨーロッパ。僕は、黒いマントを着た騎士だった。この国をさらに平和にするために、王から言付かった宮廷魔術師メイベリンは、ミントグリーンに発光する妖精ミューを探して連れてくるよう、僕に命じる。


妖精ミューはあまりにも小さいので、後世、ミクロンを表すμという記号になる。(これは、夢の中の話だけど)その位、妖精ミューは小さくて人の目にはつきにくいらしい。噂によると、妖精ミューと出会って心が通じ合った時、ミントグリーンに発光し、周りを至福の輝きで人々を包み込むという。 妖精ミューに出会った人は、その後、輝きのある幸福な人生へと導いてくれる。権威や物欲を超えたところに幸福があると信じていた国王は、妖精ミューを人々に会わせることで、なにか大切なものを国民に気付かせようとした。 僕は、何十年もの月日をかけて、妖精ミューを探し出す旅に出る。旅の途中、多くの妖精と出会い恋に落ちる。その度にいつも妖精を弄び、僕は旅の疲れからか、騎士道を忘れ心が荒んでいった。


30数年が経っただろうか。彷徨える森の中で妖精達が群れをなしていた。その中に一筋の光を見た。それは、あの伝説のミントグリーンに光り輝く妖精ミューだった。僕は、胸の高鳴りを押さえることができなかった。妖精ミューは僕の頭上高くに浮遊し、一向に近づける気配がない。


「どうか、お願いだから、僕の手の平に舞い降りて来てくれないか」と僕は言った。妖精ミューは、人間の周波数に合わせたテレパシーで、「あなたのかっこつけたところが嫌!」と言った。僕は、高価な黒いマントを脱ぎ捨て、愛馬ロメオを森の中に逃がした。その光は、あまりにも眩しくて、妖精ミューの姿をこの目で見ることができなかった。

閲覧数:29回

6 comentarios


>fumixさま

え、妖精に会ったのですか? やっぱり、妖精は追いかけていくと 逃げて行ってしまうのですかね?

森の中を探索していると、 なにかイマジネーションを掻き立てられますね。 特に霧がかかっていると幻想的で、 夢と現実の境目を見失ってしまいます。

今回は、短編小説のような物語に挑戦してみました。

投稿者:hide★ :2008年12月14日 13:23

Me gusta

contact
26 nov 2019

おはようございます♪

本当に幻想的な写真ですね。 写真を撮る人の眼だけに映るその瞬間と景色。 不思議な感覚です。

私は小学生の頃、友達数人と妖精を見た記憶があります。 ほんの数秒で、追いかけたけど消えてしまった妖精のような姿は、 薄い水色で、でもとても輝いていました。 この記事を読んだら、やっぱり存在したのかなぁなんて思ってしまいました。

妖精ミューのお話。 短編小説のような素敵な夢ですね。

なにか秘密めいた感じもして…

投稿者:fumix :2008年12月14日 11:07

Me gusta

>Reiさま

北海道には、コロポックルという妖精がいます。 フィンランドには、ムーミンという妖精がいます。 ムーミンはカバだと思っていたけど、 ムーミン谷の妖精だったのですよね。

天使は神の使えで人間を諭しますが、 妖精は不思議な力を持っていて、 人間を翻弄させます。

仕事で、クライアントからOKが出ても念には念をおして、 何度も何度も文字校正をします。

あれだけ、慎重に確認したはずなのに、 後ほど、あっという箇所が間違っていたりします。

その時は、諦めるしかありません。 妖精のいたずらなのですから。

投稿者:hide★ :2008年12月14日 09:03

Me gusta

contact
26 nov 2019

ミューのいう「あなたのかっこつけたところが嫌!」とうのがなんだか不思議。 妖精ってどこか人間を諭す存在のように感じていたけどとっても平等な感じがします。

妖精さんにお会いになったんですねぇ。 とってもHAPPYな感覚を味わったのでしょうか。

投稿者:Rei :2008年12月13日 14:34

Me gusta

>香明さま

ここ、筑波山です。 神聖な感じのする山でした。 早朝だったけど、霧がかかっていてとても神秘的な感じがしました。 妖精ができてもおかしくないですね。

僕は、最近、妖精に会いました。

投稿者:hide★ :2008年12月11日 10:05

Me gusta

美しく、輝く、輪を求めて。

bottom of page