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執筆者の写真Hidetoshi Shinohara

地中海美術館のジェームズ・タレル

2月に直島の地中海美術館へ行ってきました。 そこで、一番印象深かったのは、ジェームズ・タレルでした。 東京へ戻って来てから、あの不思議な体験を思い出すので、記憶が薄れてしまう前に記録に残しておこうと思う。地中海美術館は、撮影禁止なので記憶辿って描いたスケッチなので、どこまで正確かわからないけれど、そこは大目に見てください。

タイトルは、Open Fieldで2000年に制作されたものです。この作品の部屋に入る時は、入場制限があって部屋の外で並び、しばし待たされる。鑑賞者の入れ替えのアナウンスがあり、その部屋に入ると黒い階段があり、そこを上がっていくとさらに小さなブルーの光に包まれた空間がある。その空間をゆっくりと突き進んでいくと、影がない不思議な空間に浮遊しているような感覚に襲われる。 大学時代に知覚心理学の学士号を取得し、芸術修士号も取得している。アメリカ航空宇宙局の研究員を務めたり、アートと科学分野の実験を行ってきた。タレルは、光という素材に知覚を媒体にして作品を作るそうだ。人々は、日常の中に光を感じて生活をしているけれど、夢や神秘体験の中にも光を知覚するというのだ。 タレルの父は、航空エンジニアで、タレル自身も飛行機の操縦免許を持っており、自ら軽飛行機を操縦する。そして、上空でエンジンを止め、気流に任せて空を漂うソアリングというのを体験する。上下左右の感覚がなくなり、視覚的重力から開放され、静けさの中、大きな光に包まれていることを感じる。その話を本で読んでから、この体験をしたので、まるで青いそれの上空で浮遊しているような感覚だった。 タレルは、「夢の中で見る光は、どこから来るの?」という課題を発するらしいけれど、ここでその体験ができるような気がする。

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美しく、輝く、輪を求めて。

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