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執筆者の写真Hidetoshi Shinohara

VIGLOWA Dazzling Life Trial 001

Dazzling Lifeの理解者がなかなか現れない。こういう時は、自らが具体的に示して、発信していくべきかもしれない。



VIGLOWA=Vi(美)+glow(輝く)+wa(輪)/美しく、輝く、輪という意味である。

美をテーマにしているのだけれど、美といっても人それぞれの認識が違う。僕が、世の中にアートを提供するのは、人々の暮らしを美しく、輝くものにしたいからだ。それをさらに絞り込んで、生まれたコンセプトワードがDazzling Lifeである。


ベートーベンのピアノソナタ第一章「月光」を聴いて、イメージが湧いた。これが、Dazzleかどうか、わからないけれど、とにかく具現化してみることにした。Dazzleとは、眩惑するほど美しい。キラキラ輝いて美しいものという意味がある。


日本は、超成熟社会がやってくると、20年以上前から言われていたこと。ところが、成熟社会どころか、政治家といい、企業のトップといい、大人といい、自堕落社会になってしまった。


なぜ、こうなったのか?今の政治家や大企業のトップは、ちょうど、僕と同じくらいの50代〜60代の年齢なのだ。この人達が、大学生位の頃、70年代から80年代に移り変わり、92年位まで日本経済はバブル真っ盛り。GDPは、アメリカを追い越すんじゃないかなんて勢いで、アメリカでは日本製品不買運動や、日本車を燃やしたり、ちょっと前の中国みたいなことをやっていた。


僕達の上の世代、70代前後の先輩達は、学生運動の時代。知的情報に飢えていて、難しい本を読み、資本主義のブルジョアジーを否定し、マルクス、レーニン主義の社会主義を推奨していた。浅間山荘事件の連合赤軍派の主犯者達は、みんな一流大学のエリートだった。


学生運動の時代が終わり、大阪万博、札幌冬季オリンピックなどで、好景気の幕開けで、命をかけて日本を変えようとする運動はなくなった。まさに僕達の世代だ。そして、この世代には、大人達は、前の世代の反省から、若者に考える力を与えるのをやめてしまったのである。


1980年代、バブル時代の日本の若者達は、渋カジ、合コン、「なんとなくクリスタル」という高級ブランドの名が連なる中身の小説がベストセラーになったり、女性はボディコンファッション、マハラジャというディスコで気が狂ったように朝まで踊り狂い、企業の社長はアルマーニのスーツを着て、ヴィトンのサイドバックを片手にベンツに乗り、金をばらまいていた。若者はBMW3シリーズに乗り、BMWを六本木カローラとバカにしていたくらいだ。僕たちの業界のカメラマンの多くは、ベンツのステーションワゴン。大学生は、遊び呆けて勉強なんてしている姿は見たこともない。一部の真面目な学生はいたにはいたが。


その頃、僕とバンドを一緒にやっていた明治大学と法政大学の友人に合コンへ誘われて行ったことがある。周りの女子大生に「趣味はなんですか?」と聞かれたので、「ロックです」と言ったら、「ロックは、ルックスよね〜〜!」と言った瞬間、女子大生達が僕の方を見て、カラカラ笑い転げた。僕は、うつむいて顔から火が出そうになるくらい恥ずかしくて、無口になってしまった。


そんな青春時代を過ごした人達が、今のトップで権力を握っている。「世界のエリートは、なぜ美意識を鍛えるのか?」でベストセラーになった山口 周さんによれば、この世代を知的空洞化世代というらしい。一流大学を出て勉強はできるが教養がない、こういう時代の人達である。大学さえ卒業できれば、一流企業に入って定年まで安泰という時代だったのだ。


一部の人達を除いて、この世代の異業種の人達と話すと、どこの大学を出たのか、どこの企業に勤めているのか、車は何に乗っているのか?海外旅行は何回行ったか?アートの話をしても興味なし。つまり、学校の勉強以外の教養がないのだ。つまり、情操教育をやってこなかったので、感性に乏しい。だから、金儲けの数字しか見れない。儲かれば、何をやってもいいという人達だ。


感性に乏しい政治家が政治をやると感受性や想像力に乏しいので、国民のことを想像する事ができない、つまり、イマジネーションがない。ましてや政治家は、日本を良くしようなんて誰も思っていない。既得権益で自分達が利益を得るための政治家から政治屋になってしまったのだ。


日本企業は、技術大国で物作りに熱心になり、戦略がない。それも最近は、ほとんどが中国製。その間、アメリカはアップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾン....システムや戦略で世界を制覇した。


今から、日本がそれに気づいて、戦略重視にシフトしても30年〜50年はかかる。アメリカがでさえ、そのくらいかかったんだから。


僕にできることは、世の中に活力となる美を提供すること。絶望の中の希望を個人でも発信していこうと思う。







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美しく、輝く、輪を求めて。

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