top of page
執筆者の写真Hidetoshi Shinohara

Cool Strutting

ジャズピアニストのソニー・クラークの有名なCool Struttin’というアルバムがあるが、それは50年台のニューヨークの街をハイヒールを履いて、格好良く歩いている足元の写真が印象的だ。

Struttingとは、気取って歩くという意味。このビジュアルを現代風にしてみたいと以前から思っていた。



「足下を見る」という言葉があるように、どんなに服装やメイク、ヘアスタイル、アクセサリーで着飾っても最後は足下で決まる。


立ち居振る舞い、英語ではbehaviorというが、見た目が整っているだけではなく、人格、ライフスタイル、育ちの良さ、気品、礼儀、仕事に対する姿勢、責任感、優しさ、慈愛の心、道徳心、思慮深さ、知性と教養などが、最後は足下に表れるのである。


どんなにハイブランドに身を包み、高級時計や高級アクセサリーを身につけ、高級車を乗り回しても足下に出てしまうのである。例えば、高級車から降りて来る瞬間、足下が最初に見え、その車に似つかわしい品格を持ち合わせているかどうか、一瞬で分かるものである。そして、こちらへ向かって歩いて来る姿勢は、気品を漂わせ、颯爽としているのである。ハイブランドを身につけるなら、このようなことも身につけなければお里が知れて、文字通り足下を見られるのである。


Strutting、気取って歩くという意味合いを僕なりに解釈するとそういうことである。気取って見えるのは、そのような品格が備わっていない人達から格好つけているように見えるのであって、格好良く闊歩して歩いている人は、中身も備わっていると信じたい。


モデルを使用せず、ストリートスナップなので、数多くのシャッターを切って、偶然性を狙わなければならない。ブティックの前を通りかかると、アスファルトの歩道がマゼンタ色に光り輝いている場所を見つけた。Cool Struttin’のアルバムジャケットのイメージがあるので、ローアングルでカメラを構えなければならない。歩道にしゃがみ込んで、カメラのモニターをチルトアップする。ファインダーを覗かなくても便利になったものだ。


時刻は、夜の7時位。アパレルの会社が多いこのエリアは、おしゃれな人達が行き来する。僕自身、35年くらい前、この辺のアパレルの会社に通勤していた。まさに今、カメラを向けている所を通勤していて、仕事が終わるとJR原宿駅へと歩いて帰路に着く途中道だった。

閲覧数:28回

Comments


美しく、輝く、輪を求めて。

bottom of page