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Stray Cat Strut

2009年10月

野良猫が僕に懐いた。
どこか同類の香りでも漂ったか、僕に気がつくと優雅に腰を振ってこちらへ向ってきた。


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ストレイ・キャッツというバンドのStray Cat Strutという、80年代にヒットした曲がある。僕が今でも好きなミュージシャンのひとりブラアイン・セッツァーの曲。今、僕はこの曲を課題曲にしていたところ。この一匹の野良猫を見て、この曲を思い出した。


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デビュー時のブライアンは、とても端正な顔立ちでまるでジェームズ・ディーンのようだった。透き通った青い目、きれいな形の唇、鼻筋が通った高い鼻、誰が見ても美少年だった。80年代のパンク時代にロカビリーを復活させたロックン・ローラー。10代の頃は、バイクを乗り回し、エディ・コクランに憧れ、不良だったらしい。


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ある番組のインタビューで、ブライアンは言った。「おれは、ボルボに乗っているような奴らとは付き合わない。ギターは尖っている形の物よりもこの丸くて、女の体のようなギターがいい。こいつを片時も離したことがない」と言って、グレッチG6120を撫でまわしていた。(こんなセリフに憧れる〜!)両腕にはすごい入れ墨をして、当時でも珍しいゲキ尖りリーゼントで、ふてぶてしくて悪そうだったけど、目だけはどこか澄んで真っすぐ遠くを見ていた。


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ニューヨーク生まれのブライアンは、最初、アメリカでヒットせず、ロンドンに渡り成功を収める。UKロックだと思っている人もいる。その後、アメリカへ戻り成功するのだが、イギリス人からは見放される。まるで、バンド名のような身寄りのない野良猫だ。それでも、毅然とした態度で自分のスタイルを貫いた。決して卑屈にならずに。いや、僕にはそう見えただけかもしれない。ステージに立つと、リーゼントを片手で掻き上がる仕草がかっこいい。


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この猫の後ろ姿のように、Strut....孤独で寂しがり屋のくせに気取って歩く野良猫。表現者として、どんなに辛くてもこの生きざまを見習いたい。(ブライアン、しびれる〜〜〜!)



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投稿者 hidetoshi shinohara : 18:42 | コメント (8)

アーバン、ナチュラル派

2009年10月

然別湖から、北東へ向って糠平湖(ぬかびらこ)へ行った。


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原生林に囲まれた山々の間には、靄がかかっていた。山林を走る車の前方には、青い鳥が左右に振り子のように飛びながら導いてくれる。湖へ辿り着いたら朝日が昇りかけていた。十勝の山の中は気温も低く、湖面には朝靄が漂っていた。なんとも幻想的で美しい風景。真っ暗な夜道から、ぱっと明るくなった気分だった。湖面に浮かぶ靄が朝日を反射して、優しく温かみのあるピンク色に染まっていた。何か心の中を投影しているかのようだった。


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風景というのは、気分を爽快にしてくれたり憂鬱になったりと感情を揺さぶる。この場所に身を置くことによって、風景と一体になれる喜びを感じた。都会派を豪語していた僕は、自然の美しさに打ちのめされた。現代社会では、多くの人と表面的な関係を築き、家庭を築き、仕事を通じ、趣味に高じる。彼らは、何かに利用するための人間関係を築き、誰かにしがみつき、友人も恋人も戦略的に選ぶ。


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自然のいいところは、そういうこととは無関係に日々の張りつめた緊張を楽にしてくる。居心地のいい人間関係というのは、地位や経済力でもなく、お互いに安らぎを与え、緊張を解き放してくるような関係だ。喜びを分かち合い、一体となれるとよりいい。


僕は、自然が好きになった。これからは、自らをアーバン、ナチュラル派と呼ぶことにしよう。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 17:00 | コメント (4)

ほんのり頬を染める

2009年10月

大雪山国立公園に然別湖(しかりべつこ)という湖がある。


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北海道でもっとも標高の高い位置にある湖。この湖は3万年前ほどの噴火で川がせき止められてできた。湖の東側には唇山といわれ、湖面に映る影とその形からなんとも色っぽい形をしている。


日の出前から暗闇の中、三脚にカメラを固定して待機していた。湖の向こう岸から、朝日が登ってきた。上唇の形をした小さな山が、シルエットを映し出す。鏡のように澄んだ静かな湖面が表情の全貌を現してきた。上唇のシルエットが湖面にも映って、本当に唇のように見えてくる。なんとも神秘的な湖。鉄の斧でも放り投げてみたくなる。すると、湖の妖精が現れて「あなたの落とした斧はこれですか?」と言って、金の斧を差し出すんだよね。


この鏡のような湖は、自分の心を映し出しているのかもしれない。その時の心の状態が、見る人に様々な表情を見せるに違いない。人間関係にもミラーリングという法則がある。「あの人が嫌い」と思ったら、それが顔に出ていて相手にも伝わり、お互いが嫌いになってしまう。どんな人にだって、短所があるはずなのに、自分の短所はすっかり高い棚にあげて忘れてしまい、相手の短所だけが鼻につく。


ぶっきらぼうな顔をしていると誰もが近寄りがたくなり、本人が気付かないうちに次第に孤立して不幸になっていく。そのことに気がつかないと永遠それの繰り返し。不満は誰にだってあるけれど、お互い様なんだから相手の長所をもっと見るようにしよう。そして、自分から率先して笑顔で挨拶をしよう。きっと、幸せが訪れるよ。


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そんなことを考えていると、目が慣れてきて、桟橋で女性がボートを引っ張っている姿に気がついた。そのシルエットがとても美しく「きれいですね!」と僕は声をかけた。


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湖はみるみるうちに赤く染まった。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 19:25 | コメント (10)