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森の中のスターダスト

2009年8月

北国の夜空でスターダストを見た。


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深夜、森の中、どこまでも続く一直線の道を車で走っていた。夜空にキラキラ輝くモノがうごめいた。そこは民家などなく、辺り一面森の中。ヘッドライトを消すと真っ暗で何も見えない。空を見上げ、少しずつ目が慣れてくると星がキラキラ輝いていた。


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こんな夜空、東京では見たことない。あまりにも感動してしばらく夜空を見上げていると首が痛くなった。『これを写真に残すことができるのだろうか?』と思い、三脚とカメラを取り出しセッティングした。仕事仲間のフォトグラファーに露出の設定を聞こうと思ったが、深夜をとうにまわって朝を迎えようとしている。昔、独学で写真の勉強をしたとき、バルブで撮影することを思い出した。
『まっ、いいか!適当に30秒だ』暗闇の中、頭の中でカウントして30を数えた。目が慣れてきて、星の数がだんだん増えてくる。


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まるで、宝石箱をひっくり返したようにキラキラが散らばっていた。夜空の中でひっそりと輝いている星くず達。太陽や月のようにはっきりと存在感があるわけではなく、多くの星が集まってキラキラ輝いている。だから、どの星が素敵というわけでもない。僕が星を好きなのは、ひっそりと輝いているところだ。これ見よがしに目立つのは僕の美学に反する。あくまでもさりげなくが大事。


ひとつひとつは、小さく見える星だけど、僕は、あの星のようにいつまでもキラキラ輝く星となることを、自らに誓った。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 12:08 | コメント (10)

スーパースター

2009年8月

札幌の藻岩山の麓にちざきバラ園というところがある。
多くの品種の中でひと際、目を惹いたのがスーパースターというバラ。


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中2の時、ラジオからカーペンターズの「スーパースター」という曲が毎日のように流れていた。夏休みに入る直前のある日のこと。学校から帰ってくると母は庭の手入れをしていた。そこにはバラがあったけど、なんという品種であるか、当時の僕にはまったく興味がなかった。「ただいま〜」っていうと階段を駆け上り自分の部屋に入った。鞄をベッドに放り投げ、真っ先にやることはラジオのスイッチを入れFMを聞くことだった。


当時は、70年代ハードロックの最盛期。ヘビーなサウンドがヒットチャートに上がるという、今では考えられない時代。さしかわ楽器店で買ったヤマハのギターを抱え、荒々しいロックのコードを耳で拾っていくのが楽しみだった。そんな中、カーペンターズの「スーパースター」が流れてきた。ほかの曲とは違い、ゆったりと優しいボーカルに思わず聞き入ってしまった。


後で知ったけど、この原曲は、A Song for Youを書いたレオン・ラッセル。僕が大好きなしわがれボイスのデルタブルースマン。あんなブルージーなミュージシャンがこんな優しい曲を作れることに驚いた。詩の内容はこんな感じ。

   昔、もう遥か昔
   私はあなたと恋に落ちた。 
   2回目のショウの前のこと、
   あなたのギターは、とても優しく澄んでいた。
   でも、あなたは、本当はここにはいない。
   これは、ただのラジオだから。

   覚えている?「ねえ、君のこと好きだよ」って言ったことを。
   「また戻ってくるよ」って言ったでしょう?
   ねえ、あなた聞いて。
   私はあなたを愛してる。本当に愛している。

   孤独はとても悲しいこと。
   私は、もうとても待ちきれない。 
   あなたとまた一緒になりたい。

   どう言ったら、あなたはまた来てくれるのかしら。
   また私のもとに戻って、
   そして、奏でてください。あなたの悲しいギターの音を。


気がつくと、このバラには夕陽が射し、ちょっとオレンジがかっていた。久々に見下ろした札幌の街はずいぶんと様変わりしていた。「昔、あんたを連れてよくここへ来たのよ」と母は言った。目の前にはあの母が車椅子に乗っていた。何も覚えていない僕は、車椅子のグリップを両手で強く握りしめた。ゆっくりと時が流れていく。僕は『大事な待ち合わせに間に合わない』と時計を気にしつつ、落ち着かなかった。でも、なぜか以前のようにいらいらして「早く、帰ろっ!」と、冷たく言えなかった。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 15:08 | コメント (6)