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ときめき

2009年6月

50歳を迎えて何かが変わるだろうか?


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故郷との再会が人生を変えるなんてことがあるとは思わなかった。それは、自分を見つめ直し、ときめいた半年間でもあった。生涯のうち、こんなに自分の過去を思い出したことがあっただろうか?


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あの、透明で澄み切った夜空。丘の上から見下ろしたキラキラ輝く海面、雪解けの小川のせせらぎ...こんな些細なことに意識を向けてこなかった。


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デザインの仕事を通じて自分が何をやるべきかと考えてきたことが、自分のルーツから来ているものだということが理解できた。デザインといえば、先進的で尖ったものという考え方があるかもしれないが、僕が考えるデザインとは見るヒトに「心地良さ」を提供すること。


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地球環境が注目されている時代であるけど、人間環境も大事なこと。僕には地球を救うなどと大それたことはできないけれど、デザインを見たり触れたりしたヒトがささやかな幸せを感じてくれればそれでいい。そうなれば、人間同士が穏やかになり、共存ということをもっと改善していくことができるのではないだろうか?


そして、デザインは素敵であること。なぜかって?素敵なヒトや素敵なモノに出会ったとき、すっごくときめくから。50歳になったって、『年を取った』なんて言わない。年齢は、年を重ねて深みを増していくもの。これからの人生はあの若い頃と同じようにときめきを忘れないこと。素敵、大好き!


18歳の春に単身、何かに突き動かされるようにときめいて、東京へ飛び出して来た頃のことを思い出した。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 14:59 | コメント (8)

赤い薔薇

2009年6月

僕の誕生日にスタッフがお祝いにプレゼントしてくれた薔薇をTがドライフラワーにしてくれた。


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すごく、おしゃれだね。ここは、夜遅くまでみんなでデザイン会議をするミーティングルームの一角。「心地良さをカタチにするグラフィックデザイン」を理念にデザイン会議では、年齢、性別、立場を超えてボーダレスに自由に発言する環境を作ってきた。ただし、反対意見を言うときは、必ず代替案を出すことを前提にしてきた。


一番キャリアを積んできた僕だけれど、みんなに鍛えられたよ。うちは、なぜか女性スタッフが長くいてくれたので、それに慣れてしまった。会社設立当初は、絶対に男性スタッフを採用すると思っていた。言っちゃ悪いが、「女の子なんか気を使うし、言いたいことも言えず、なんで給料払っておれが顔色伺わなければならないんだよ!」ところが、気が付いてみれば、10数年、ほとんど女性スタッフ。口の悪い友人達は、ハーレムなどというけれど、女性スタッフの方が、僕にはない感性を持っていてとても刺激になった。


そのひとつにこんなしゃれたドライフラワーをさりげなく飾ってくれるセンスなど、僕にはなかったなあ。と感心している。


女性スタッフは、きめ細かくところに意識がいくし、ダメなことははっきりと「それはダメですよ」と言ってくれる。上に立つ者だって、時には脱線することだってあるものだ。それを正してくれる、野党の存在がうちのスタッフ達だ。さて、赤い薔薇を口に加えて、夜の街にでも繰り出そうか。そんなことしたら、野党に「また馬鹿なことを考えて、仕事してくださいね」と言われそう。それもまた、心地良い。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 00:13 | コメント (0)

50という節目

2009年6月

7日で僕は50歳になってしまった。


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昔は、人生50とか言ったとか言わないとか。40歳になったときよりもあまり変化は大きくないかなあ。この10年間で少しは変わったのだろうか?変わったことは、相手のことを思いやる余裕がでてきたことかな?


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仕事中、そんなことをしみじみと考えていると、スタッフに食事に誘われた。『毎日、遅くまで仕事しているのだから、たまには早く帰ればいいのに...』と思いつつ、単純な僕は思いとは裏腹にうれしさを隠しきれずに事務所を後にした。


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いつもは、仕事での緊張からか、みんなにいらいらしたり怒ったりしてしまうけど、こうやって仕事を離れるといいスタッフに恵まれて幸せだと思う。別にこのブログを読むことを意識して媚びているわけじゃないからね。グラスを傾けながらみんなの顔をあらためて見ると、とてもいい笑顔をしていたので、心からそう思ったんだ。


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具体的にどこがいいかというと、みんな素直さを持ち合わせていること。仕事上、うまくいったりいかなかったりしても素直な気持ちを持っていれば改善していけるということ。他人の功績を喜び、他人のミスに寛大になり、そしてそれをどうしたら良くなるかということを話合えること。それができるスタッフと一緒に仕事ができるということが何よりも幸せだと思っている。


当社は、今年で16年を迎えた。これからは、もっとみんなにとっても幸せと思える環境を作っていきたい。心地良い環境、心地良い人間関係、心地良いデザイン、それを作っていくのが僕の仕事。


今年もありがとう。そして、これからもヨロシク!



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投稿者 hidetoshi shinohara : 20:47 | コメント (8)

友人Sへの手紙

2009年6月

前略 医者という仕事は、さぞかし激務のことと察するよ。連休前、30年振りに留萌へ行って来た。


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中2の時、親父の転勤でおれは留萌へ転校した。クラスの女の子に恋をして、妄想日記を書いたのを覚えているか?よそ者のおれは、ヒーローになりたくて、彼女のことを日記の中で、いろいろな想像を膨らませて描写した。おまえとNとYちゃんは大受けで、おれは一躍ヒーローになった。


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でも、翌日からその罪悪感からか、彼女の顔をまともに見るのが辛く、クラスに居られなくなって、休み時間になるとおまえのいる隣のクラスへ逃げん込んで行った。お袋は、見知らぬ土地に馴染めなかったせいか、何度も病気をして入退院を繰り返した。14歳の夏、その寂しさからか、祖母にねだり、さしかわ楽器店で25,000円のヤマハのフォークギターを買ってもらった。おれとおまえは意気投合して、一緒にギターを競い合った。悔しいけど、おまえにいろんなことを教わったかな?


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ビートルズを知ったのもその頃。今だから言うけど、UKロックの虜になっていったのもおまえのお陰だ。英語が得意だったおれたちは、歌詞カードを訳して詩の内容を語り合った。ジョン・レノンのLOVEは深かった。そんなことで叶わぬ恋心を紛らわそうとしていたのかもしれない。


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中2の夏休みには、図書館で一緒に勉強して「成績が上がったら、もっといいギターを買ってもらおう」と励まし合った。おまえはその頃から医者を目指していたんだよな。二人で悪いこといろいろしていたから、勉強ではおまえにすっかり油断してしまった。


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家の裏には留萌川を挟んで山があった。あの裏山を何度も夢で見たよ。そう、二人であの山に登ってギターの練習をした。そして、30数年振りにあの山に登ってみた。近くに橋なんかなくて、子供だった二人はギターを持ってあのローカル線の鉄橋を渡った。あの時と同じように、いつ汽車が来るかもわからないのに、いい大人が渡ったんだ。雲ひとつない青空と初夏の清々しい水色のそよ風がおれの背中を押した。あそこへ立ったら35年前のことが、鮮明に思い出された。青臭い子供達にとって、その危険を冒すことが大人への入り口でもあったのだろうか...


バイパスを渡って、山の麓に辿り着いたら脇に獣道があった。確かにあの険しい獣道を二人で楽器を持って登った。気がついたら、皮のブーツだというのに滑りながら急斜面を夢中で登っていた。一歩一歩踏みしめていると、あの時の情景が鮮明に思い出してきた。35年前の獣道とちっとも変わっていなかった。違っていたのは、山の斜面に雪崩止めと思われる金属製の柵があったくらいかな?


この山のてっぺんで、二人は草むらに腰を降ろしてちっぽけな街を見下ろしてギターを弾いた。あの頃、まだ子供だったおれたちは、何かを征服したよう気分だった。この歳になって見た留萌の街は、昔の印象とは違っていたよ。あの頃は、『なんて田舎に来てしまったんだろう』と不貞腐れていたけれど、今、見渡すと、夕日に照らされた茜色の小さな街はとても美しかった。おれは、大切なことに気がついていなかったんだ。


30年間も東京で成功を夢見て、『故郷に思いを馳せているようじゃ勝てない』などとわかったふりをしていたのかもしれない。ルーツは、あの裏山にあった。二人とも感傷に浸るタイプじゃなかったけど、そろそろそういうのもいい年齢かなと思ったよ。40代は今日でお別れ。おれは明日、50歳になる。


今度、あの裏山のことを語らないか?                       早々

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投稿者 hidetoshi shinohara : 06:41 | コメント (12)