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アイデンティティー

2008年10月

同窓会に出席してから、自分を見つめ直す機会が多くなった。


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30年間、ただひたすら前を見て走ってきた。故郷を懐かしんでいるようじゃ、考えがぬるいと自分に言い聞かせてきた。でも、気がついたら人生の折り返し地点をとっくに過ぎていた。フルマラソンで例えるなら、給水を取らなければならない時期なのかもしれない。


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2年前、札幌へ帰省した時、どうしても自分のルーツが気になり、車で石狩湾から北上して雄冬まで行った。もうちょっとで、留萌へ辿り着くところだったが、行く勇気がなかった。何を恐れていたのだろう。ちやほやされたかったのだろうか?自分が頑張ったことを認めてほしかったのだろうか?いや、まだ早いとでも思ったのだろうか?


よく考えれば、どんな人だってみんな苦労をともにして歳を重ねてくる。自分だけではないのだ。みんなに会って、やっと分かった。誰も口には出さないけど、笑顔で笑い飛ばし、何事もなかったように、いにしえの記憶を手繰り合う。つらいことは、忘れよう!ただ、それだけでいいではないか?


その時、雄冬で撮影した2枚の写真。ちょうど、季節は今頃だった。1枚目は、曇り空の寒々しい北国の日本海。何か空虚な感じがした。それが、どうしたとでも言いたげなふてぶてしい海。昔の自分を見ているようだ。


2枚目は、三脚に中判カメラを取り付け、しばらくアングルを探っていると、雲の隙間から光が差してきた写真。あまり、深刻に考えるなよ!とでも言いたげに。昔のみんなに会って、気がついたら馬鹿話をしている今の自分がいた。イタリア、ルネッサンス期の絵画のような御来光だった。


どんなに都会人ぶっても、北国の素朴な自分を打ち消すことはできない。歳はただ、呆然と取るものではなく、様々な困難を乗り越え、重ねていくものである。この陰と陽が、誰もが持っているアイデンティティーなのだ。僕は、何か大切なものを忘れていたような気がする。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 21:52 | コメント (12)

タイムスリップ

2008年10月

留萌高校の同窓会へ、札幌まで「故郷に錦を飾り」に行ってきた。
まるで、ビデオの巻き戻しのようにキュルキュルキュルーーッ!という
音とともに過去へ遡った出来事だった。


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1ヶ月前、親友Sから「おまえと同窓会に出席するために北海道へ一緒に帰る」と連絡があった。僕は、「ウチには、通知が来ていないのでおれは行かない」と言っていたのだが、ある日、FAXが流れてきたので行くことにした。どうやら、僕は行方不明者になっていたらしい。


会場に着くまで、ドキドキしたなあ。みんなに忘れさられていたらどうしよう。がむしゃら仕事に明け暮れた30年だったから。親友Sから、携帯に連絡が入り、「おれ、もう待ちきれない。どこかで待ち合わせしようぜ!」「おれも、もう待てないよ!」


最初の一言は、なんて挨拶するのだろう。もう大人だからね。な〜んて、余計な心配したりして。『あっ、大変ご無沙汰しております。覚えていらっしゃいますでしょうか?ワ・タ・ク・シ・・・』と、大人っぽく深々とお辞儀をして名刺を差し出すのかな。親友Sから、「名刺を2箱持って来い!」と言われていたので言いつけを守った。マドンナに会えるかな?


ホテルのロビーで、最初にアッキ(バンドのドラム)に会う。「おおおおおおお!!!!!」僕は、いきなり何を思ったか「おれさあ、去年、ギター買ったんだよ」何もいきなり、そんな話をしなくてもいいのに。その後は、会場へ近づくごとに、ハグ、「おおおおおおお!!!!!きゃあ、わーー!」のけぞりの連続。


僕のクラスのテーブルには、大人のレディが2人座っていた。軽く大人の挨拶をして、過去の記憶を手繰り寄せていると、向こう隣の女性がいきなり「シノハラって、馬鹿だったよね!」『えーーーーっ!!!!!開口一番、それはないだろ!』「あっ、おまえ、ケイかっ!」、「だから、言ってるだろ!」反対側の席にも大人のレディが2人席につき、「あ、シノハラ、久しぶり!」いきなり、きれいな大人のレディに呼び捨てにされて誰だっけ?あっ、副委員長のイックだ。「シノハラって、なんか変なやつでさあ、ぼーーっと漂っていたよね」とイックが言う。『なんだってーーー!』「女子の間では、いいって言う子と、なんか変って言う子と半々にわかれていたんだよ」『知らなかったーーー、ショック!』「いつもギターケース持ち歩き、何かバイクの絵を描いていたね」


そういえば、鞄の変わりにギターケースに教科書を入れて、肩まで髪を伸ばし通学していた。特にバイク好きだったわけではないが、メカニックな何かに惹かれて、描いていたのだと思う。両隣に大人のレディが座っていたので、すっかり気取っていたら、段々と話している相手の顔の向こう側に、うっすらぼんやりとあの当時の顔が浮かび上がってきた。


ケイ(魔女)、のぞ(テニス部)、イック(副委員長いつもニコニコ)、ハセちゃん(八千草薫似)、エコちゃん(清純系)、ガワちゃん(バンドのベース)、ミズノ(指揮者)、ミヤケ(下宿でモクモク)、ベッちゃん(学級委員長)、マツモトーーーー!(淑女)、チョウナンーーー!(膝を叩き合った変態女)、テンコーーーー!(大笑い女)、ニシダ(ドラム)、コマタ(コマシ)、ヒロシ(ベース)、その他ちょっとしか話せなかったみんな元気そうだね。当時は、「好き」って言えなかった人に会えたり...


高2の時、クラス全員停学になって、新聞に載ったね。男は全員、護送車に乗せられて、鉄格子を握りしめ、見送るクラスの女の子達に手を振った。警察署に着くと、それぞれの親が真っ青な顔をして迎えに来ている。僕たちは、酒を飲んで大暴れしていたのだ。急に酔いが醒め、お巡りさんが「バケツに吐きなさい」と言うので、顔を近づけると、先に誰かの○○がたっぷりと...それを見て、さらに気持ち悪くなる...今では、もう「そんなこともあったね」と思い出に浸る。(もう、時効だよね)


5件目まで行ったころには、男3人女3人になっていたけど、気がついたら朝方4時をすっかり回っていた。北海道の深夜は、さすがに肌寒かった。アッキが、「おまえ遠くから、遥々来たのだから、何食べたい?」というので、「北海道人らしくジンギスカンが食べたい」と僕は言った。こんな朝方に開いている店はないと思ったけど、ススキノにはあるんだな。


あの頃、誰かの家に集まっては酒を飲んでタバコを吸ったよね。「おまえ、何吸っていたんだっけ?」「おれ、ショップ(ショートホープ)!」「おれ、ハイライト!」「おれ、チェリー!」、これも時効です。許してください。今では1本も吸いませんから。みんなでさらにビールを飲みながら、「おいしいね!おいしいね!」と言って別れた。


最初は、気乗りせず、当社スタッフに「社長!人脈作りですよ!」と言われて、渋々出席したけど、みんなと会ったらそんなことどうでも良くなってしまった。
ああ、青春!書ききれない。今回は、改めて僕自身のアイデンティティーを認識する旅となった。いつもこのブログを読んでいただいているみなさん、私事ですみません!しばらくは、興奮して何かに定着しないと落ち着かないのです。


いやーー、30年だよ。めちゃくちゃ楽しかったよ。また、会おうね。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 13:34 | コメント (14)

バランス

2008年10月

アンティークショップで買った、アンバランスな天秤。


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デザイナーほど、バランスという言葉を毎日のように使ったり考えたりする職業は、ほかにはないのではないだろうか?スタッフが仕上げてきたデザインを「ここのバランスが...」「色のバランスが...」「レイアウトのバランスが...」と毎日のように使う。そもそもバランスとは何だ?


広辞苑によると、バランスとは「つりあい」、「均衡」を意味するのだそうだ。研究社英和辞典によると「天秤」「はかり」「釣り合い」「平均」「調和」「均整(美)」「(心の)平静」「落ち着き」だそうだ。


バランスを取るだけが、良いデザインだとは思わない。時には敢えてバランスを崩すことで、アグレッシブな表現になったりする。逆にあまりにもバランスを取り過ぎて、退屈なものになってしまったりすることもある。ちょっと、崩すというところがバッドチューニング。完全にチューニングがくるっているのではなく、ちょっとずらす。すると、ほんのちょっと、刺激的になるんだな。あくまでもバランス感覚を知った上でのことだけど。


これは人間関係にも当てはまるのではないだろうか?お互いが尊敬して、刺激を与え合う。でも、あまりにも気を使い過ぎてバランスを取り過ぎているとつまらない関係になってしまう。「やれやれ、手のかかるやつだ」と思いながら、他では何か刺激をもらっている、なんていうくらいがいいのかもしれない。たまには、反対意見を言ってくれる野党も必要なのだ。


男女の関係だって、同じでしょ?相手があまりにもおりこうさんすぎると、つまらないよね。僕は、外見だけではなく、自分の世界を持っていて内面から輝いている人に魅力を感じる。ちょっと、ダメなところがあるくらいがチャーミングなんだ。そして、髪を振り乱して、何かにひた向きに取組んでいる人は素敵だ。この天秤のように、アンバランスなくらいがちょうどいい。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 11:23 | コメント (18)