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真心を閉じ込める

2008年4月

3月から、新しくスタッフTが入社した。


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東京では、桜も散って世間では、日々の慌ただしい生活に戻ったころ、Tは自宅近くに散っていた桜を拾って、パウチ加工をした桜をプレゼントしてくれた。

うれしいじゃありませんか!桜には来年まで会えないと思っていたのに、こんな方法があったなんて。これで、桜は道路に散って踏みつぶされることもない。まるで、平面ガエルのど根性ガエルピョン吉みたいだ。(失礼!若い人達、知らないですよね)これで、平面桜は来年まで、ずっと僕のそばにいてくれる。

2月下旬、デザイナーを募集しようと思っていた時、突然、応募してきたTに、僕は「新卒は取らない」と言った。それは、クリエイティブ以前に、社会人のマナーから教えなければならないからだ。と、友人にその話をしたら「おまえは、経験者でも手取り、足取り、丁寧に教えているじゃないか。だから、新卒だって資質さえあれば同じだよ」と言われた。「たしかに!」と僕はつぶやき、会ってみた。作品のパワーが歴代1位だったのと、まだまだ荒削りだけど、自然体でキラキラ輝いている人柄に魅力を感じて採用した。

僕の直感は、当たったのかもしれない。散った桜をパウチして、桜色のリボンまでつけてみんなにプレゼントしてくれた。真心って、こういうことなんだよなあ。僕は、常日頃、デザイン以前に人間性が大切だと思っている。これから、人格形成をしっかりとしごいてやろうと思っていた矢先に、こんな小憎らしいことをされちゃあ、たまったもんじゃない。

先週末、Tのお父さんが上京してきたらしいので、僕はTに「お父さん、どんな会社か心配していたでしょう?」と聞くと、「おまえの選んだ道だから心配していない」と言われたらしい。「もし、私がヤンキーの彼氏を連れて来たらどうする?」って、聞いても「おまえの選んだ男なら心配しない」と言われたそうだ。その瞬間、僕は、『お父さんが許してもオレが許さんっ!』と、心の中で叫んだ!(ウソッ!ウソッ!)



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投稿者 hidetoshi shinohara : 22:22 | コメント (10)

桜と雑草

2008年4月

地面に落ちた桜は、一体どこへいくのだろう?


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心地良い陽射しの日曜日、外へ出た。桜がハラハラと舞い降りてきた。地面の隙間から生えている雑草に向かって、何かを語りかけているようだ。

桜:私は、桜。上からずっとあなたのことを見ていたの。スズメが、茎をツンツンつっついてくれたので、私は降りてくることができたのよ。どうしても聞きたいことがあって...なぜ、あなたは、そんな狭いところに生えているの?

雑草:僕はこの世に生まれた時、種から芽を出そうとしたら、天辺がコンクリートの塊だったんだ。もう、ダメだと思ったよ。だけど、諦めずにかすかな光を見つけて横へ横へと伸びてきたら、地上への隙間を見つけた。どんな逆境にも諦めてはいけない。必ず突破口があるものだよ。僕は、ここから上を見上げて、君のことを見ていた。いつか、あんな高いところへ行ってみたいと。

桜:逞しいのね。あっ!

そこへ、酒屋の源さんが運転する軽トラックが走り抜けていき、桜はその風に飛ばされて、どこかへ行ってしまった。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 23:35 | コメント (8)

桜の佇まい

2008年4月

自宅を出て、通りを渡ると小石川植物園がある。


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小石川植物園の外壁に沿って、歩いてみた。そろそろ、桜が散るころだ。風に乗って、クルクルと風車のように回りながら落ちていく桜が麗しい。目の高さのコンクリート塀に、一輪の桜が舞い降りて静止した。まるで、僕の目の前に現れた妖精のように...

その数秒後、風に吹かれて塀のあちらへ行ってしまった。気まぐれな妖精が、人間をからかい、一瞬のうちに去っていってしまったようだ。

服を買うときもこんな現象がある。探し求めていた、ブラックレザーのライダーズジャケット。買うことを決意し、一瞬、頭を冷やすためにカフェでコーヒーを飲む。30分後、戦闘モードに切り替えて、「誰がなんと言おうと、絶対に買うぞ!」と思い、ショップに行ってみると、一瞬のうちに売り切れ。

僕は、衝動買いを自制するためにも一旦、時間をおいて考えることにしている。「それでなくなったら、それまでさっ!」と諦めることにしている。中途半端な物は買わない。本当に気にいってもその一瞬でなくなっていたら、それを所有する資格がないと思っている。商品自ら、「どうか、私をさらっていってください」と懇願されて、初めて買う価値があるのだ。


どうやら、この桜は僕のことを相手にしていなかったらしい...



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投稿者 hidetoshi shinohara : 13:43 | コメント (2)

群れない

2008年4月

満開の桜を見るのもいいが、幹にぽつんと咲いているのもいい。


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僕は子供の頃から、その他大勢の中に入るのが苦手だった。無理して孤立していたということでもない。むしろ、無理してその他大勢の中にとけ込んで、積極的に社交的に振る舞っていた方かもしれない。でも、一番心地良い時は、気の合う少人数の仲間と空気のように漂っている時だ。

僕は、「あまり人付き合いが得意ではない」と言うと、多くの人は、「そんな風には見えない」と言うが、それは意図的にそう見えないようにしているのかもしれない。でも、三つ子の魂百までも、そう簡単に変われるものではない。

今でも、こうしてひっそりと咲いている少数派の桜を見つけると、自分のことのようにときめいてしまうのだ。よ〜く分かるよ、この気持ち。その他大勢の桜満開大宴会に参加できないのだよね。パーティへ行っても、壁に寄り添って、おとなしくしているタイプ。多くの人達とアンテナの周波数が違うから、どうしても話が合わないのではないかとびくびくしてしまう。それが、一度、波長が合うと心の奥底まで曝け出してしまう。


「もっと、大人になれよ」と、もう一人の自分が言う。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 11:55 | コメント (8)

ミニマムな桜

2008年4月

小石川播磨坂の桜並木は、今日も人でいっぱいだった。


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どこにカメラを向けても沢山の人とブルーシート。密かに自分だけの桜を観賞したくて、風景を切り取ってみた。この周りには花見で賑わっている人々がいる。満開の桜を写真に撮ると、なぜか感動がない。肉眼で見ていると桜並木の奥行きと荘厳さに圧倒されるのだが。

僕は、桜並木を行き交う人々が写らないように、ガードレールの上に登ってカメラを構えた。丁度、この写真の画面下あたりに人々の頭がある。ぎりぎり、頭が写らないようアングルを決めると、白い住宅の塀に写った桜の影がとてもきれいだった。

アーチ状に天を覆っている桜から、チョロっと飛び出た桜の一塊。その他大勢の桜から、ちょっとだけ自己主張をしているようにも見える。天の邪鬼な僕は、こんな桜もいいと思った。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 15:26 | コメント (14)