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Sへ

2007年1月

日曜日に当社スタッフのSが結婚式を挙げた。
その前の週、スキー場で見た風景はこれを物語っていたのか?


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教会の扉が開き、父親にエスコートされてSは入って来た。扉が開いた途端、僕はまぶしさで直視できなかった。ヴァージンロードを歩き、僕の目の前を通過した瞬間、何かこみ上げてくるものがあり、感無量で涙が溢れてきた。彼女は、優しい光に包まれ、まぶしく光輝いていた。こんな気持ちになったのは初めてだ。

僕は、あの苗場の山の中腹で見た,不安定なところに心細く立っている二本の木とオーバラップした。二人は一つになり、そして光輝く。結婚式の前々日、Sはちょっとナーバスになっていた。新しい人生の第一歩は、誰だってこの風景のように不安でいっぱいなものだ。

普段、身近でコツコツと仕事をしている彼女とは別人だった。努力家でしっかり者の彼女は、いつも僕をサポートしてくれる。本当に働き者で勉強家なんだよ。クリエイティブにおいて、僕は上下関係を作らない主義なので、年齢や性別に関わらず、必ず自分の意見を言えるような環境作りをしてきた。

そんな中でもSは、自分の納得のいくまで議論を交わしてくる。あまりにも図星なので、僕は思わず感情的になりそうになる。だけど、僕が言い出したことだからね。「クリエイティブにおいては、ボーダーレスだ」と。そして、Sはクリエイターとして、人として、一人の女性として成長した。

とてもきれいだったよ、S。理詰めで納得いくまで、とことん議論する君は、少しチューニングを狂わすことも大切だよ。(このブログのテーマのように)あまり、旦那さんを追い込んで苦しめないように。男なんて、みんな子供なんだから。


これからは、人生のバッドチューニングを二人で歩んでほしい。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 22:29 | コメント (16)

フロストモンスター

2007年1月

スキーシーズンがやってきた。
昨年から、再開したスキーを週末になると朝4時起きで車を走らせる。
朝に弱いはずの僕は、なぜかスキーとロケはムクッと起きることができる。


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前回、琳派をテーマにしたので、今回も引き続き真っ白な雪景色の中に琳派を見出そうとしたが、う〜ん、どうしたものか?本当に暖冬なのだ。先週は吹雪いていて、真っ白な雪景色だったのに、あまりの寒さに素手でシャッターを押す勇気がなかったことを後悔しているのだ。やはり、感動のある絵を作るには楽はないということだ。

そんなことを後悔しながら一人リフトに乗り、うなだれていると足元に針葉樹林の葉っぱに霜がかかっているではないか?これは、美しい。

慌ててホテルに戻り、コンパクトデジカメを持ち、デジタル一眼レフを襷がけに再度リフトに乗った。朝7時、太陽が昇り始めて、うっすらと葉っぱに降りた霜が解け始めるのでシャッターチャンスは数分。しかも、リフトは動いていて、下を向いて脇を締め、命がけでシャッターを切る。何カット撮ってもぶれる。猛スピードで滑り降り、またシャッターを切るという繰り返し。

この木は、オオシラビソという針葉樹で、積雪の多い日本海側の八甲田山に多くエゾマツに似ていることから、アオモリトドマツとも言われている。東北の雪深い景色で真っ白に覆われてしまうので、その姿をスノーモンスターと呼ばれている。

この木の特徴は、木の下の方には葉っぱがないので上から見ないとこのような写真は撮れないので貴重な体験をしたかもしれない。暖冬の苗場では、スノーモンスターに成りきれない、ちょっとキュートなフロストモンスターというところか。これを琳派と言えるものなのかどうか?


雪の少ない雪景色のバッドチューニング。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 20:07 | コメント (12)

苗場のジャイアントスラロームコース

2007年1月

20代後半から、本格的に始めたスキーを今でも毎年続けている。仕事が忙しくて、会社設立後何年かは、黒字になるまでスキーを断つことにした。黒字になるのに4年かかった。


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7〜8年が経って、がむしゃらに働いたせいか体にガタがきていた。少し、気分転換にスキーでも再開しようと思い、道具を買いそろえた。車もスタッドレスに交換して、金曜日の夜に苗場プリンスホテルに電話する。「一人なんだけれど、部屋空いている?」ツインの部屋をいつも独り占めなので、ちょっと割高だけれど、高い部屋は必ず前日にキャンセルが出て、予約することができる。


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土曜日の朝5時起きで、関越道をかっ飛ばす。そのためにスタッドレスでも高速走行に適しているピレリのタイヤを履いている。ディラーからは、「この車でスキーへ行くんですか?」とびっくりされるけれど、どんなスポーツカーだって、雪道を走れない車などあるはずがない。


スキー場へ着くと、チェックインまで荷物をロッカーに入れ、早朝リフト始発から、数本足慣らしに滑る。体が温まってきたら、このジャイアントスラロームコースのコブ斜面を攻略に行く。午前中の気温が低い時間帯は、雪質がいい。気温が上がると雪質が悪くなる。


この写真で見ると急斜面に見えないけれど、ここに立つと一瞬尻込みする。ひと呼吸をおいて、このS字カーブのコブ斜面をプリンスホテルまで、一気に滑り降りるのだ。このひとときだけは、仕事のことも嫌なことも全て無心になって、コブ斜面攻略だけに集中している。


ナイターまで、思う存分滑るとホテルのフレンチレストランで1人でディナーだ。周りを見ると、1人でレストランに来ている人は、めったに見かけない。テーブルの上にキャンドルが灯され、そこで読書しながら食事をするのが至福のひとときなのである。明日は、またあの斜面を攻略する。20 July, 2007



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投稿者 hidetoshi shinohara : 14:41 | コメント (0)

雪景色の琳派

2007年1月

恵庭岳の下流、白扇の滝からさらに南下すると漁川(いざりかわ)ダムがある。
漁川は、ラルマナイ川とイチャンコッペ川に挟まれている。
氷に覆われたダムの支流は、一部解けて優雅な曲線を作っていた。


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最近、デザインを掘り下げていくと、日本人としてのアイデンティティーが重要であるような気がしてきた。海外ブランドを身に纏うのも良いが、日本人としてのルーツを再認識したい。僕自身、世界のブランド品には興味があるので何も懐古趣味に浸るというのではなく、現代のグローバル化社会を見据えたうえで、日本人であることを意識していきたいということかな。

そこで、琳派。19世紀のヨーロッパでは、アールヌーボーが全盛であった。日本が初めて参加したパリ万国博覧会を皮切りに、浮世絵、琳派、工芸品などを次々に出品していった。面を埋め尽くさんばかりの華美な装飾を美とされていたのに対して、大胆に空間を取り入れた日本美術の手法にヨーロッパの人々は驚いた。

アメリカの経済学者、P.F.ドラッカーは日本美術の根底にあるものは、空間を重視することで、画面における余白が大きな意味を持っているという。西洋が幾何学的、中国が代数的、日本は空間がそれぞれのパーツを区分している、というように琳派は現代のデザインに通じるものがあるのかもしれない。

そして、日本美術の特色は、概念ではなく知覚、写実ではなくデザイン、幾何ではなくトポロジー、分析ではなく統合にあるとドラッカーは言う。絵画の世界では立体感のないデザイン的という言葉が日本人のコンプレックスであったらしい。僕は、なにも幾何学的な黄金分割だけが構図を支配しているのではないということと、この先人達が築いた空間的表現をとても誇りに思う。


日本人のバッドチューニングを雪景色に見つけた。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 16:05 | コメント (16)

氷の首飾り

2007年1月

今年の札幌は暖冬で例年より雪が少なく、
白銀の雪景色を求め、車で恵庭岳方面へ向かった。


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どこを見ても雪が少なく、車で南下しているうちに恵庭岳麓にある白扇の滝へ辿り着いた。この滝は、恵庭渓谷から流れてくる渓流で、この下流では優美に扇を広げたような姿に見えることから名付けたらしい。

暖冬といっても、極寒の渓流はそこにいるだけで、体の芯から凍えてくる。

渓流の岩肌に積もった雪は氷に変わり、その冷たさがマリー・アントワネットの首飾りのようだった。自然の中で発見した氷のジュエリーは、数億円ものダイヤモンドより美しく見えた。


極寒の中のバッドチューニング。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 23:11 | コメント (12)

GIVE PEACE A CHANCE

2007年1月

みなさん、新年明けましておめでとうございます。
喪に服している方は、どうぞお元気にお正月をお迎えになられますように。
僕は、今、北海道です。


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年が明け、朝起きて実家の家の前に出てみると、太陽が雪面をきらきら輝やかせていた。

世の中の嫌なことをすっかり忘れさせてくれるのが白の力。この白い雪景色を見ていると無へとリセットさせてくれる。一年の始まりの日にふさわしい白は、どんな色にも染めることができる。

真っ白なキャンバスに「ここに青空があると思ってごらん!」と言ったのは、オノ・ヨーコだった。それに触発されて、ジョン・レノンはイマジンという曲を作った。

元日の朝に見た真っ白なキャンバスに、今年もみなさんとさまざまな色を描いていきましょう。そして、平和な世の中を目指して。GIVE PEACE A CHANCE.(ジョンとヨーコから)

それでは、今年もバッドチューニングをよろしくお願いします。



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投稿者 hidetoshi shinohara : 21:02 | コメント (14)